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女生徒亭日常

アウフヘーベンしてみたいヽ(・∀・)ノ

文明の香り

雑録

子どもの頃から、金木犀の香りを嗅ぎつけると、「秋だ!秋だ!すぐに冬だ!」と切なく儚くそして大好きな無常感に包まれ、香りによる生き心地を感じる小生。

この『キュンきゅん』感は、どうやら他の神経刺激では代替不可能なものと思われる。

しかし、無臭を好む近代都市の未来を推測すると、『キュンきゅん』の将来はすこし暗い。

聴覚のほうはこの期に及んでもますます音を求めているのに対して、嗅覚は遠慮がすぎる。

松尾芭蕉が現世に舞い降りたら、「うるささや、骨にしみ入る街の声」になるだろう。とにかく耳は元気だ。

鼻も負けてはいられない。なるほどたしかに、アロマやお香といった空間に漂わせる系の香りは店頭でも見かけるが、体そのものに臭気を帯びさせるのはあまり良い印象がない昨今であろう。

ということは、匂いにいたっては、「普段は無臭が前提としてあって、嗅ぎたいときに嗅ぎたい香りを息抜き程度に嗅ぐ」のが人間にとっていいのだろうか。

 

しかしながら、これだけ科学技術が発展を遂げようとも、その欲望は中々達成され得ない。

グーグルさんで〔金木犀 香り〕ギュン!と検索かけて、文字情報視覚情報その他あらゆるインフォメーションを集めたとしても、あの『キュンきゅん』は一向に襲いかかってこない。

しかし、それでノスタルジー決め込んでもただの新聞投稿欄止まり。

ここは文明の進歩をイマジネーションしてみまじねーしょん。

来る将来、グーグルさんで検索したあらゆる〔○☓△ 香り〕は、もれなくその香りとともにパソコンやスマートフォン(将来それに類するもの)から噴出されるという迷惑千万極まりない技術が開発されるに違いあるまい。

わたしの『キュンきゅん』をいつでも何処でも射止める科学技術が開発されるのはiPhone20くらいか?

 

 

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

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