雑記

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『Cat in the Rain』by Ernest Hemingway ①



『Cat in the Rain』by Ernest Hemingway

ヘミングウェイの『キャット・イン・ザ・レイン』という短編です
ヘミングウェイ(1899ー1961)愛用の猟銃で自殺
ハードボイルド、固ゆで卵、が転じて感傷や恐怖などの感情に流されない、精神や肉体も強靭な、妥協しない人間の性格を表す言葉となった。
それがさらに文芸用語として、自分の生き方、主義を貫く強い男を主人公にした小説をハードボイルドというようになった。

ホテルに滞在しているアメリカ人はたった二人だけだった。
二人のアメリカ人は、自分たちの部屋の行き帰りに、階段ですれ違う人の中に、知っている人は誰もいなかった。

二人の部屋は2階にあって、海に面していた。

その部屋はさらに、公園と戦争記念碑にも面していた。公園には、大きなヤシの木と緑色のベンチもあった。

天気が良いと、いつも、誰かイーゼルを持った画家がいた。
その絵描き達はヤシの木が茂っている様子と、海に面しているホテルの明るい色合いを好んだ。

イタリア人が遠く離れたところからやってきて、戦争の記念碑を見上げた。
記念碑はブロンズでできていて、雨にぬれて光っていた。

その日は雨が降っていた。

雨がヤシの木から滴り落ちていた。

砂利道には、いくつかの水たまりができていた。

海では、波が、雨の中で、長い一列になって、砕け、そして、浜辺を滑るように後退した。雨に打たれながら、寄せては、また長い一列になって、砕けていた。

車は、皆、記念碑のそばの広場からいなくなってしまった。

広場の向こうにある、カフェの入り口にはウェイターが一人立って、空っぽの人気のない広場を見ていた。