たけだ

復活

『The Luncheon』by Somerset Maugham ⑤


『The Luncheon』by Somerset Maugham ⑤

彼女はウェイターにいらないわと軽やかに手をふった。

「いえいえ違うのよ、私は昼食には何も食べないの。たったひと齧りだけなのよ、私はそれ以上は決して食べることは無いし、食べるときには何よりも会話を口実にして食べているの。どう頑張ってもこれ以上は食べられないわーーただし、大きなアスパラガスがあれば別なんだけども。アスパラガスをいくらかいただかずしてパリを去るのは残念だわ」

私の心は沈んだ。店でアスパラガスが売られているのを以前に見たことがあった。それが恐ろしく高価であることを私は知っているのだ。そのアスパラガスを見るや、私の口はつばでいっぱいになったものだった。

「このご婦人が、大きなアスパラガスがあるかどうかをお知りになりたがっているのだが」とウェイターに訊ねた。

私は、ウェイターが「No」と答えるように精一杯努めた。
彼の広く牧師のような顔に嬉しそうな微笑が広がった。私に請け合ってくれたのだ、お店には、驚くほど大きく、素晴らしく、柔らかいアスパラガスがあることを。

「私は全くお腹が減っていないわ」夫人がため息をついた。「あなたがどうしてもって強く言うなら、アスパラガスを食べることなら、気にしないわよ」
私は注文した。

「あなたは召し上がらないの?」
「私はアスパラガスを決して食べないのです」
「わかるは、アスパラガスを好きでない人もいるわよね。いいわね、事実はね、あなたは味覚を台無しにしているのよ、肉だけばかりあなたが食べるから」